防衛庁の「省」昇格に関する意見書(平成17年3月28日)
先の大戦の焦土から、我が国は僅かな年月に驚異的な復興と発展を遂げ、今年戦後60年という大きな節目を迎えた。これは世界史でも希なことだといわれている。
しかしながら、国際情勢はこの間に東西冷戦構造の解消と裏腹に文化、民族、宗教等をめぐって逆に険悪化し、世界各地で紛争が絶えない。
平成13年9月11日、米国で起きた同時多発テロはこれを象徴している。
こうした中、我が国では国の平和と独立、国民の生命、財産を守るという国家の基幹的役割を担う防衛行政組織は「庁」として内閣府の外部組織に据え置かれたままできた。世界の主要国で国防組織が「庁」である国は皆無であると聞いている。
我が国は今、更なる国際貢献を果たすべく国連常任理事国入りを目指している。イラク人道・復興支援や中東ゴラン高原、その他の地域でPKO活動を展開してきた自衛隊の任務と活動は今後、更に多岐にわたることが予想される。
また阪神淡路大震災、新潟県中越地震に見られるように自然大災害がいつ何時、国土を襲うかも分からず国民に甚大なる被害を及ぼした。その復興支援で自衛隊の活動は被災者の心の支えでもあった。今後もこうした事態に常に備えておかなければならない。
よって、国におかれては、今後、一層国際貢献を進め、大規模災害復旧など公共の福祉増進、すなわち国益のため早期に防衛庁を防衛省に昇格させられんことを強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成17年3月28日
福岡県議会議長 藤田 陽三
衆議院議長 河野 洋平 殿
参議院議長 扇 千景 殿
内閣総理大臣 小泉 純一郎 殿
防衛庁長官 大野 功統 殿