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FTAの推進に関する意見書(平成15年12月19日)

 現在、グローバリゼーションという言葉に代表されるように世界の経済は一体化の方向を目指し、世界各国が利益を享受できるようWTO(世界貿易機構)のもとで、そのルールづくりに取り組んでいるところである。しかし、WTOの構成国は146カ国と広範に及び、先進国と途上国の対立に象徴されるように利害が対立し、思うように前進していない状況である。

 このような中、北米自由貿易協定(NAFTA)に代表されるように、多国間あるいは2国間などの地域で貿易協定いわゆるFTAを結び、自由貿易や投資の促進を図っているところである。

 我が国においても、平成14年1月にシンガポールとの間で、FTAの協定に署名を行い、現在メキシコとの間で交渉を行っているところであり、さらには韓国との間で産学官共同研究を行っており、また、ASEAN諸国とのFTA締結の検討を行っているところである。

 このFTAは、構成国間の実質上すべての貿易について関税や制限的通商規則を廃止することが求められるため、国際的に競争力のある産業は問題ないが、農業など特別に配慮すべき産業分野では多大な損失をこうむる可能性が多分にある。

 よって、国におかれては、FTA交渉締結に際しては、次のことに十分配慮して進めることを求めるものである。

1.現在交渉中のメキシコとのFTA締結に際しては、農業5品目(豚肉、牛肉、鶏肉、オレンジジュース、オレンジ生果)の関税引き下げについて従来の姿勢を堅持すること

2.将来のFTA締結に際しては、農業の持つ多面的機能や食料安全保障に十分な配慮を行うこと

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 平成15年12月19日

福岡県議会議長  井本 宗司

内閣総理大臣  小泉 純一郎 殿
外務大臣     川口 順子 殿
農林水産大臣  亀井 善之 殿