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中小企業に対する緊急の金融対策を求める意見書(平成13年12月20日)

 我が国経済が依然として低迷をつづけ、デフレスパイラルさえ懸念されるなどさらに悪化が心配されるなか、本県においてもその影響をもろに受けている中小企業は一層深刻な事態を迎えている。

 10月期における倒産状況は、負債総額1千万円以上のところが昨年同月比を19件も上回る90件を記録した。

 これは企業とりわけ中小企業に対する銀行をはじめとした金融機関の対応がますます厳しくなっていることを裏付けている。

 金融機関は自らが抱える不良債権の処理や金融庁の厳しい検査により、選別融資を強化しているため、融資を必要とする中小企業に資金を回せず、資金不足にあえいでいるのが実情である。このまま推移すると、本県はもとより全国の中小企業は危機的状況に陥りかねない。

 従って当面これから年度末を迎えるなか、中小企業にとっては資金繰りが一層厳しくなることが予想され、一日も早い緊急の中小企業金融対策が求められる。

 よって国においては、下記の項について特段の配慮と施策の充実を図られるよう強く要請する。

1.平成13年11月30日、臨時国会において成立した中小企業信用保険法の改正による「売掛金債権」の信用保証制度の効果的な実効性を確保するため、国において、信用保険の保険準備金や信用保証協会の基金補助を大幅に増額すること。

2.国の特殊法人改革で、政府系金融機関の統廃合が検討されている。しかしながら、民間金融機関において選別融資が強化されている現状では、政府系金融機関による中小企業に対する資金提供の役割が一層重要になっているため、当面、低利融資の拡大を措置すること。
 また、民間金融機関に対しても、資金提供の円滑拡大化が図られるよう迅速適正なる指導の徹底を図ること。

3.本県においては、新しい中小企業育成策として物的担保や保証人にとらわれず、企業の将来性を評価し、いわゆる直接金融市場づくりを見据えた「新しい融資システム」づくりと取り組んでいる。中小企業が進んで新規分野に進出できる体制確立のため的確な指導と助言を図ること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 平成13年12月20日

福岡県議会議長  藏内 勇夫

内閣総理大臣               小泉 純一郎 殿
財務大臣                  塩川 正十郎 殿
経済産業大臣               平沼 赳夫 殿
行政改革担当・規制改革担当大臣  石原 伸晃 殿