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WTO次期交渉に向けて「国内農業政策の充実と多様な貿易ルールの確立」を求める意見書(平成13年10月15日)

 昭和36年に制定された農業基本法は、平成11年に新しく「食料・農業・農村基本法」として生まれ変わり、我が国農業も新しい時代を迎えた。

 このような状況の中、世界の貿易ルールを決めるWTO(世界貿易機関)の次期交渉については、11月9日から13日に開かれる閣僚会議で、交渉の枠組みが決められようとしており、この交渉の推移いかんによっては、今後の我が国農業・農村の発展に大きな影響を与えるものとなる。

 よって、本議会は政府に対し、我が国農業を維持発展させ、食料自給率の向上を図るとともに、国土環境の保全を図る観点から、次の事項を重点課題として交渉に臨むよう、強く要望するものである。

一、農林水産業は食料や木材などの生産、供給だけでなく、地球規模での自然環境の保全、良好な景観の形成、地域社会の維持や雇用の場の確保などの多面的な機能を維持しており、各国の農林水産業が共存できるよう公平で公正なWTOの貿易ルールを構築すること。

一、食料の輸入増加に伴い、食の安全保障対策は極めて重要である。特に、遺伝子組み換え食品(GMO)の流通、表示のルールを国際的にも明確にさせること。

 一、これらの課題を実現するため、輸出入国とも自国の生産資源を最大限活用して食料を確保できるよう、適切な関税水準の設定などの国境措置や国内助成については、各国の食料・農業をめぐる事情を配慮し、一律的な削減を行わないようにすること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 平成13年10月15日

福岡県議会議長  藏内 勇夫

衆議院議長    綿貫 民輔 殿
参議院議長    井上 裕 殿
内閣総理大臣  小泉 純一郎 殿
外務大臣     田中 眞紀子 殿
農林水産大臣  武部 勤 殿