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宇和島水産高校実習船「えひめ丸」の行方不明者徹底捜索と確実な引き揚げを求める意見書(平成13年3月27日)

 去る2月10日、ハワイ・オアフ島沖で愛媛県立宇和島水産高校実習船「えひめ丸」は、米原子力船「グリーンビル」に衝突され600メートルの海底に沈没した。

 乗組員35人のうち26人は救助されたが、残り九人がいまだ行方不明のままである。

 同潜水艦が十分な安全を確認しないまま急浮上し、衝突後に沈没する「えひめ丸」を放置状態においたままにしたことは、同じ水産高校で実習船「玄洋丸」を持つ本県にとっても、到底許し難いものである。

 また、このたびの事故が起きた太平洋上には本県を含む水産、海洋訓練を学ぶ実習船や遠洋実習船など多数の船舶が航行しており、同じような衝突事故の発生が懸念されるところである。

 よって、政府におかれては、人道的見地から9人の行方不明者の徹底した捜索の続行と海底にある「えひめ丸」の確実な引き揚げを米国政府に対し強く要請するとともに、二度とこのような事故を起こさないためにも日米両国に具体的な再発防止の確立を求めるものである。

1.9人の行方不明者の捜索に全力を傾注し、家族や乗組員全員の要望や対策に誠意を持って万全を期すこと。

2.ハワイ・オアフ島沖の深さ600メートルの海底に沈没している「えひめ丸」の引き揚げを確実に行うこと。

3.実習船を初めとする船舶の安全な航行を確保するよう、全世界の潜水艦保有国に厳重な注意を促すこと。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 平成13年3月27日

福岡県議会議長  藤田 茂令

内閣総理大臣  森 喜朗 殿
総務大臣     片山 虎之助 殿
外務大臣     河野 洋平 殿
文部科学大臣  町村 信孝 殿
防衛庁長官    斉藤 斗志二 殿