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児童手当制度の抜本的改善を求める意見書(平成11年2月23日)

 現在、我が国においては、急速な高齢化が進む一方で、合計特殊出生率が平成8年度に1.43人、同9年度には過去最低1.39人と、一段と少子化傾向を強めている。少子化傾向は先進国共通の現象ではあるが、我が国は、イタリアやドイツと並んで先進国中、最も低い出生率を記録している。そのため、15歳未満の年少人口は、昭和57年以降減少に転じ、平成9年度には年少人口割合が65歳以上の老年人口を下回る事態となっている。

 既に指摘されているように、こうした少子化の進展は、人口構成にアンバランスを生じさせ社会や経済の活力低下をもたらすとともに、とりわけ年金や医療等の社会保障に重大な影響を与えることが懸念されている。

 こうした少子化に対しては、昨今、国や地方公共団体により、さまざまな措置が講じられつつあるが、効果を上げているとは到底言いがたい。少子化への対応については、未来を担う子供を安心して産み育てられる環境整備が極めて不十分であり、子育てに伴う経済的負担の増大が少子化をもたらす大きな要因となっている現状から見て、経済的支援への要望は切実なものがある。とりわけ我が国の児童手当制度については、欧州先進国に比較しても支給水準が低額かつ限定的であり、我が国の将来を担う子供を「社会全体で育てる」という理念と発想に欠けていると言わざるを得ない。

 よって、政府におかれては、現行の児童手当制度について、下記のように抜本的に改善するよう強く要望する。

一、支給対象児童を、現行の「3歳未満」から「15歳未満」に拡大すること。

一、支給額については、第1子、第2子につき月額1万円(現行5千円)、第3子以降につき月額2万円(現行2万円)とすること。

一、所得制限(現行5人世帯で年収480万円未満)を撤廃すること。

 以上、地方自治法第99条第2項の規定に基づき、意見書を提出する。

  平成11年2月23日

福岡県議会議長  板橋 元昭

内閣総理大臣  小渕 恵三 殿
大蔵大臣    宮沢 喜一 殿
厚生大臣    宮下 創平 殿