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米国の臨界前核実験に抗議し、核兵器廃絶を求める決議(平成10年10月9日)

 米国エネルギー省は9月27日、ネバダ州の地下核実験場での通算4回目の臨界前核実験を終了したと発表した。同実験は配備中の核弾頭内のプルトニウム劣化状況を調査し、核兵器の性能を維持することが目的とされている。
 米国は「核爆発を伴わない臨界前核実験は包括的核実験禁止条約(CTBT)の規制対象になっていない」との見解に立っている。しかし、インドとパキスタンなどがCTBTに加盟する方針を発表し、国際的にCTBTの発効と核軍縮への期待が高まっている中だけに強い憤りを感じ、国際的にも非難される行動と言わざるを得ない。
 この臨界前核実験が核保有国への不信を増大させ、ロシアが同じ実験を行うのは確実と見られる。また五大核保有国だけでなく、インド、パキスタンなどが、その能力を持つといわれる臨界前核実験に走れば、CTBTを空洞化させ、世界の核兵器廃絶への大きな障害となることが危惧され、世界平和実現を希求する国際世論に逆行することとなる。
 我が国は世界の唯一の被爆国として、あらゆる核実験に反対し、核兵器廃絶を常に求め続け、特に被爆地広島と長崎の体験を生かし、世界平和の実現を心から願っているものである。
 よって本県議会は、CTBTを骨抜きにしかねない米国の行為に強く抗議するとともに、すべての国がCTBTを遵守し、もって、地球上のすべての国から核兵器が廃絶されること、及び政府も臨界前核実験に対して反対姿勢を明らかにすることを強く求めるものである。

 以上、決議する。

 平成10年10月9日

福岡県議会