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林業・木材産業の振興に関する意見書(平成10年3月25日)

 森林は、林産物の供給を初め、水資源の涵養、山地災害の防止等の機能を通じて、古くから国民生活と深くかかわっている。今日、地球の温暖化、熱帯林の減少といった地球環境問題が大きく取り上げられており、安全、安心で快適な国民生活の基盤としての森林の重要性が改めて認識されつつある。これら森林は、山村地域の林業や木材産業の活動によって守り育てられてきた。
 しかし、これまで各般の支援策が講じられてきたにもかかわらず、林業・木材産業の収益性は著しく損なわれる一方、山村地域の過疎化の進行による担い手の減少、高齢化等から、これまで営々としてつくり育てられてきた森林も手入れが十分になされないなど、地域経済の一翼を支えてきた林業、木材産業の衰退には目を覆うものがある。
 さらに、財政構造改革の推進による国の公共事業予算の削減傾向の中にあって、社会資本の整備が立ちおくれている山村地域がより一層厳しい状況にさらされていることは明らかであり、こうした状況が続くならば、もはや林業・木材産業の自助努力だけでは、この難局を乗り切ることは不可能であって、将来の国産材時代の実現はおろか国民生活の基盤の維持さえ困難と言わざるを得ない。
 国におかれてはかかる状況をご賢察の上、国内林業・木材産業の振興を図り、重要な国土基盤である森林・山村を強化するため、下記事項について強力な対策を講じられたい。

1.林業・木材産業の活性化に向けた施策を強力に推進すること。
2.土地の合理的利用、住宅の建築・取得等の促進に係る税制上の優遇措置を講じること。
3.地域材による木造建築の促進等木材需要の拡大策を講じること。
(1)木造公共施設の建築に対する補助基準を見直すこと。
(2)地域材による木造建築に対する助成を強化すること。
4.林業・木材産業関係企業に対する金融の円滑化を図ること。

 以上、地方自治法第99条第2項の規定に基づき、意見書を提出する。

 平成10年3月25日

福岡県議会議長  小山 達生

内閣総理大臣 橋本 龍太郎 殿
大蔵大臣    松永 光 殿
文部大臣    町村 信孝 殿
厚生大臣    小泉 純一郎 殿
農林水産大臣 島村 宣伸 殿
通商産業大臣 堀内 光雄 殿
郵政大臣    自見 庄三郎 殿
労働大臣    伊吹 文明 殿
建設大臣    瓦 力 殿
自治大臣    上杉 光弘 殿
総務庁長官   小里 貞利 殿
環境庁長官   大木 浩 殿
国土庁長官   亀井 久興 殿