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平成27年2月定例会の知事議案説明要旨

当初提出議案(平成27年2月9日)

 本日ここに、第20回定例県議会を招集いたしましたところ、議員の皆様におかれましては、ご参集いただき、厚くお礼申し上げます。

 このたびの議会は、議員各位及び私にとりまして任期最後の定例県議会であります。皆様方におかれましては、県勢の発展のために多大なご尽力をいただき、心から敬意を表します。
 さらに、県政運営に深いご理解とご協力を賜りましたことに対し、厚くお礼を申し上げる次第であります。

 私たちが就任しましたのは、東日本大震災が我が国に未曽有の被害をもたらした直後でした。この大震災で、我々は、特定の地域に、人口や産業、各種機能を過度に集中させることの脆さ、危うさを実感しました。一方、世界に目を転じますと、21世紀はアジアの時代です。
 このため、私は、この福岡県を太平洋側ではない、唯一日本海側の、しかもアジアを向いた一大拠点として発展させ、この国の発展に役割を果たしていきたい。また、内にあっては、「県民幸福度日本一の福岡県」を目指して、県民の皆様の生活の「安定」「安全」「安心」を向上させたい。そう考え、これまで全力投球をしてまいりました。
 その際、「現場主義」、「県民の皆様に寄り添い、向き合う、温かみのある行政」を心掛けてまいりました。

 人は、将来の暮らしに不安があると、幸せを感じられません。そのため、まず第一に、「経済の活性化と雇用の安定」に力を注いできました。
 県経済と雇用を支える中小企業につきましては、金融支援や商品開発、販路拡大など、総合的な支援を行ってまいりました。昨年4月の消費税率引上げの際には、消費の落ち込みを緩和するために「プレミアム付き地域商品券」の大幅な増額と早期発行を支援しました。

 「グリーンアジア国際戦略総合特区」は、設備投資額が1100億円を突破、約680人の新規雇用が生まれ、2年連続で国から最も高い評価を受けました。
 北部九州は、生産能力154万台を数える世界有数の自動車生産拠点に成長しました。関連企業の集積も進み、自動車関連産業は、本県製造業の製品出荷額の約3割を担う基幹産業として、地域の経済と雇用に大きく貢献しています。
 本県が他に先駆け、産学官挙げて推進してきた水素分野では、トヨタのFCV「MIRAI」の市販が始まり、本格的な水素社会の到来に向けて、次のステップに入りました。世界最高水準の試験施設となった「水素エネルギー製品研究試験センター(HyTReC)」は、水素製品の開発及び普及に重要な役割を担っていくことになります。

 農林水産業については、水田農業の経営力の強化、県産品のブランド化や6次産業化に力を入れ、私自身、県産品の販売促進のため、内外におけるトップセールスを積極的に行ってきました。平成25年度の農産物の輸出額は、14億円を超え、過去最高を記録しました。また、「あまおう」の販売単価は10年連続日本一、「八女茶」は玉露、煎茶ともに全国茶品評会で日本一となりました。

 観光面では、NHKの「軍師官兵衛」、「花子とアン」、「ミシュランガイド福岡・佐賀版」により、福岡県への関心が高まる中、本県の元気と魅力を広く内外に発信してまいりました。海外からも多くの観光客が訪れ、外国人入国者数は、ついに100万人を超えました。

 こうした産業振興により、雇用の場の確保を図るとともに、求職者の年齢や状況に応じたきめ細かな就職の支援にも取り組んでまいりました。
 昨年12月の県の有効求人倍率は、昭和38年の統計開始以来、過去最高の水準となっており、雇用情勢は、一部に厳しさが見られるものの着実に改善が進んでいます。

 第二に、「安全・安心」は、県民生活の土台です。
 災害に強い福岡県をつくるため、平成24年度に「防災危機管理局」を設置し、ハード・ソフト両面からの防災・減災対策を進めてきました。同年夏の豪雨災害では、発災直後から被災地に何度も足を運び、一日も早い完全復旧に全力を挙げてきました。
 また、県内の建築物の耐震化の集中的な実施、自主防災組織の育成を積極的に進め、地域防災力の強化を加速させてまいりました。

 喫緊の課題である治安の確保については、警察、行政、事業者、県民が一丸となって取り組んできた結果、特定危険指定暴力団五代目工藤會総裁ら幹部が逮捕されるなど、暴力団壊滅に向けて大きな前進がありました。
 飲酒運転事故については、就任前は全国ワースト1位でしたが、現在ワースト11位まで改善しています。また、性犯罪被害対策として、「性暴力被害者支援センター・ふくおか」を設置いたしました。

 これまでの地域住民による高齢者の見守り活動に加え、各家庭を訪問する機会の多い事業者がひとり暮らしの高齢者の異変を知らせる「見守りネットふくおか」も開始しました。現在、すべての市町村で取組みを始めており、こうしたネットワークの多重化により、高齢者の安全・安心の確保に努めているところです。

 産業廃棄物については、監視・指導を強化するとともに、平成25年度に「廃棄物適正処理推進室」を設置し、長期化している問題事案の解消に向けて取り組んでいるところです。

 第三に、「誰もがいきいきと活躍できる社会の実現」です。
 就任以来、県庁の女性管理職を倍増させるなど、女性の活躍を県自らが率先して進めており、県内企業においても、こうした動きが広がってきています。
 全国に先駆けて「70歳現役応援センター」を設置し、これまでに5000人を超える高齢者が登録をされ、1900人を超える方が仕事やボランティアで活躍されています。本県のこうした取組みを九州・山口に広げているところです。

 子育て支援については、待機児童の解消に向け、この3年間で約7000人分の保育所整備を行い、「子育て応援宣言企業」は、5000社を突破いたしました。
 さらに、障害者の自立支援のため、「まごころ製品大規模販売会」、「福岡県障害者応援まごころ企業認定制度」も新たに始めました。
 重症心身障害児者を介護する家族の負担軽減(レスパイトケア)に向け、県内13の障害保健福祉圏域すべてにおいて、短期入所サービスを実施できる体制を整備しました。
 また、将来の生活習慣病の発症予測を簡易にチェックできる「健康ポータルサイト」の運用を開始し、県民自らの健康づくりに役立てていただいているところです。

 文化・スポーツ面では、筑後広域公園に「九州芸文館」が開館し、地域の文化・交流の拠点として多くの来館者に親しまれています。昨年、スタートした全市町村対抗による「福岡駅伝」では、幅広い年代の選手の皆様がそれぞれの地域を代表し奮闘され、多くの県民の皆様にも応援にご参加いただきました。

 エネルギーについては、就任後、直ちに、「エネルギー政策室」を設置し、全国初の「再生可能エネルギー導入支援システム」を構築するなど、他の自治体に先駆け、地域におけるエネルギー需給両面からの対策に取り組んできました。固定価格買取制度に基づいて、新たに導入され発電している再生可能エネルギーの容量は、本県が全国1位となっています。

 将来の発展のための基盤整備として、福岡空港の混雑解消に向けた平行誘導路二重化の早期完成、今回政府予算案に初めて計上された滑走路増設の早期着工・完成、東九州自動車道の全線開通について、引き続き、関係者の皆様と力を合わせ、着実に事業が実施されるよう取り組んでまいります。

 加えて、近年、少子化・人口減少が大きな課題になっています。人口の減少は、経済活動はもとより、社会保障制度や地域コミュニティの維持などに大きな影響を与えるものであります。
 幸いにも、福岡県は、昭和45年以降、人口が増え続けていますが、余力のある今こそ、将来の人口減少に備えなければなりません。
 このため、私を本部長とする「福岡県人口減少対策本部」を設置し、少子化と社会増減の両面から、様々な分析と検討を行っているところです。その際、60市町村との連携はもちろん、各分野の関係者からも幅広くご意見をお聞きしながら、本県の実情に合った実効性のある施策を立案し、展開していきたいと考えています。

 少子化については、男女の出会い、結婚、出産、子育て、仕事といった、人それぞれのライフステージに合わせたきめ細かな施策を講じ、それを切れ目なく総合的に展開していく必要があります。また、社会増減という観点、特に若者の定住を維持拡大していくためには、何よりも、各地域に魅力のある雇用の場をつくっていくことが重要です。
 これらの課題に、県庁挙げて総合的に取り組み、人口減少に歯止めをかけていきたいと考えています。

 福岡県は、2つの政令市のほか、県内各地に、豊かな自然、歴史、文化、産業など特色のある市町村があります。そして、各地域には、優れた人材がいます。
 私は、地域の皆さんと一緒になって、それぞれの地域の強みと可能性を最大限発揮させることによって、福岡県全体をもっと元気に、もっと良くしていきたいと考えています。 そして、県民お一人お一人が夢や希望を抱き、その個性、能力を存分に発揮し活躍できる社会を目指してまいります。

 さて、本日提案いたしております平成27年度予算は、統一地方選挙が行われるため、暫定予算によることとしております。
 今回の暫定予算は、経常的な行政運営に要する経費については、4月から7月までの所要額を計上することとしておりますが、県政推進上緊要な課題につきましては、特段の措置を講じることといたしております。
 社会保障費につきましては、国の制度改正や対象人員の変動等を見込んで必要額を計上しております。
 公共事業費につきましては、上期の契約額の確保に配慮し、全体として前年度当初予算額の二分の一を上回る事業費を計上しております。  
 災害復旧費につきましては、復旧計画に基づく所要額と合わせて応急復旧費を計上いたしております。
 以上の方針に基づいて編成いたしました暫定予算は、
 一般会計で、6445億5400万円余
 特別会計の総額で、1262億9800万円余
 企業会計の総額で、45億5000万円余の規模となり、一般会計の対前年度当初予算比は38.6%となっております。
 一般会計の歳入につきましては、国庫支出金、県債などの特定財源のほか、県税、地方交付税などを計上いたしております。

 次に、歳出予算の主な項目についてご説明申し上げます。
 まず、総務部では、耐震化が遅れている私立幼稚園・学校の耐震改修・改築に対する助成費を措置するとともに、事業着手中の新消防学校及び福岡女子大学の施設整備に要する経費を計上しております。
 また、私立学校の経営の健全性を確保し、保護者の経済的負担の軽減を図るための私立学校振興対策費を計上しております。

 企画・地域振興部では、福岡空港の滑走路増設及び平行誘導路二重化の推進、北九州空港の貨物拠点化及び旅客便の誘致に要する経費を引き続き措置するとともに、新たに、北九州空港と福岡都市圏を直接結ぶリムジンバスの導入経費を計上しております。
 また、「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録記念事業及び「宗像・沖ノ島と関連遺産群」の世界遺産登録の推進に要する経費を措置したほか、中小企業が行う再生可能エネルギー設備の導入等に対する融資費、筑豊電気鉄道が行う車両更新に対する助成費を計上しております。

 新社会推進部では、非行少年等の立ち直りや自立を支援するためのボランティア体験、就労支援に要する経費、青少年のインターネットの適正利用を推進するための経費を措置するとともに、婦人保護施設の改築に係る実施設計費を計上しております。
 また、ドライバーに飲酒運転撲滅を訴えかける啓発の実施、性犯罪被害防止のための防犯用品の普及、「九州国立博物館」の開館10周年記念事業の実施に要する経費を措置いたしました。
 そのほか、女性やNPOが活躍する社会や青少年アンビシャス運動を推進するための経費を引き続き計上しております。

 保健医療介護部では、「福岡県薬物の濫用防止に関する条例」の施行を踏まえ、大学における危険ドラッグ乱用防止研修の実施、販売店の取締り強化など、危険ドラッグ撲滅対策に要する経費を新たに計上いたしました。
 また、相談支援体制の強化を図る観点から、「難病相談・支援センター」に、新たに小児慢性特定疾病児童等に対する自立支援員を配置するとともに、小児救急医療電話相談の土日、祝日の受付時間を拡大するための経費を措置しております。
 そのほか、地域における医療機関の連携、在宅医療の充実、医療従事者の確保・養成に要する経費を計上しております。

 福祉労働部では、待機児童の早期解消を図るための保育所等の整備、生活困窮者の自立を支援するための家計相談や子どもの学習支援に要する経費を措置するとともに、県内4か所の中核的な「障害者就業・生活支援センター」に精神保健福祉士を配置し、精神障害者の就労支援を強化するための経費を計上しております。
 また、児童虐待防止や子どもの家庭復帰支援等の児童相談所の体制強化を図るとともに、認知症高齢者などに対する福祉サービスの利用援助や金銭管理の支援を行う「基幹型社会福祉協議会」を3か所から9か所に拡充する経費を計上しております。
 そのほか、若者、中高年、子育て女性といった年代別及び対象別の就職支援センターの運営費、職業訓練に要する経費を計上しております。

 環境部では、タイ政府が整備を進める福岡方式による廃棄物処分場に対する技術協力、中国やインド、アセアンの環境施策に携わる職員を対象とした国際環境人材の育成に要する経費を計上しております。
 また、飯塚市の産業廃棄物最終処分場において、周辺モニタリングや地下滞留水の処理を引き続き実施するとともに、鉛を含む廃棄物層による支障のおそれを除去する工事の実施設計費を措置し、行政代執行を着実に進めてまいります。
 そのほか、リサイクルシステムの開発・実用化に向けた産学官共同研究、多様な主体による生物多様性戦略の推進に要する経費を計上しております。

 商工部では、地域経済を支える中小企業の経営安定を図るため、中小企業振興資金の融資枠を引き続き十分確保します。また、原材料価格高騰の影響を受ける中小企業を新たに緊急経済対策資金の融資対象とするとともに、小規模事業者の設備・運転資金の調達を支援する「小規模事業者振興資金」を創設いたします。
 また、地元企業が行う水素関連部品の開発を支援するための経費を措置するとともに、本年4月にリニューアルオープンする県庁11階の物産観光展示室において、本県が誇る伝統工芸品や地場産品の魅力、観光情報等を発信するための経費を計上しております。

 農林水産部では、農業農村整備、林道、治山、造林及び沿岸漁場、漁港などの農林水産施設公共事業費を措置したほか、高収益型園芸農業の振興、担い手への農地集積と経営の大規模化の推進に要する経費を計上しております。
 また、畜産農家が行う生産規模の拡大や夏季の暑熱対策に必要な施設・機械の整備に対する助成費を措置するとともに、農山漁村の魅力を都市部に発信するための交流会の開催に要する経費を計上しております。
 そのほか、若者の農業参入・定着支援、県産農林水産物のブランド化や輸出の拡大、県産材の供給拡大や稚貝育成装置を活用したふくおか型アサリ増殖方法の開発などに要する経費を措置いたしました。

 県土整備部では、道路、河川、砂防、港湾などの土木施設公共事業費を措置したほか、東九州自動車道建設促進費、五ヶ山ダム、伊良原ダムの建設費、苅田港埠頭用地造成事業費を計上しております。
 そのほか、防災情報や土砂災害警戒区域等を掲載した土砂災害啓発パンフレットの全戸配布に要する経費を新たに計上しております。

 建築都市部では、公営住宅、街路、都市公園などの都市施設公共事業費、市街地再開発事業費及び流域下水道建設費を措置したほか、民間の大規模建築物の耐震診断、木造戸建住宅の耐震改修に対する助成費を計上いたしました。
 そのほか、住宅政策を総合的、計画的に推進するため、住生活基本計画の策定に要する経費を計上しております。

 警察本部では、暴力団員の検挙、保護対策の更なる徹底など暴力団壊滅に要する経費を引き続き措置するとともに、飲酒運転撲滅に向けた指導取締りを強化するための検問資機材及び危険ドラッグの販売店、密売人等への取締りを強化するための鑑定機器の整備に要する経費を計上しております。
 また、信号機や道路標識などの交通安全施設の整備や筑豊自動車運転免許試験場の移転に要する経費を計上しております。

 教育委員会では、児童生徒の学力向上のため、引き続き小学5年生から中学3年生を対象とした教材集の作成と診断テストの実施、土曜授業の推進に要する経費を計上するとともに、新たに、小学5年生と中学2年生を対象とした本県独自の学力調査を実施するための経費を措置いたしました。
 また、いじめ及び不登校の未然防止、早期発見、早期対応を図るための「スクールカウンセラー」の配置に要する経費、2020年の東京オリンピックに向けた女性アスリートの育成に要する経費を計上しております。
 そのほか、県立学校の耐震改修、久留米スポーツセンター体育館の改築に係る実施設計に要する経費を計上いたしております。
 以上が暫定予算の概要であります。

 本日、ここに提案しております議案は、ただいまご説明申し上げました予算議案19件のほか、条例議案25件、専決処分したものについて報告し承認を求める議案1件、契約の締結に関する議案4件、経費負担に関する議案3件、その他の議案4件、人事に関する議案2件であります。
 このうち、条例議案について、その概要をご説明申し上げます。

 第一は、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例」であります。その内容は、教育委員長と教育長が一本化され、特別職の身分を有する教育長が設置されることに伴い、「福岡県特別職の職員及び教育長の給与等に関する条例」など9条例について、所要の規定の整備を行うものであります。

 第二は、「福岡県児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例」であります。その内容は、保育所において提供する保育内容や利用者負担など施設運営の重要事項について規定すること及び保育の質に関し自己評価を行うことを義務付けるほか、定期的な外部評価の公表を努力義務とするなど、所要の規定の整備を行うものであります。

 第三は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例の一部を改正する条例」及び「福岡県風俗案内業の規制に関する条例の一部を改正する条例」であります。その内容は、「児童福祉法」の一部改正に伴い、幼保連携型認定こども園に係る風俗営業の営業所設置及び接待風俗営業の風俗案内を制限する地域を定めるほか、所要の規定の整備を行うものであります。

 第四は、「福岡県警察関係手数料条例の一部を改正する条例」であります。その内容は、「道路交通法施行令」の一部改正に伴い、運転免許試験手数料の額を改定するとともに、一定の危険な違反行為を反復して行った自転車運転者に対して運転者講習の受講が義務付けられたことから、講習手数料を新設するほか、所要の規定の整備を行うものであります。

 第五は、「福岡県道路占用料徴収条例等の一部を改正する条例」であります。その内容は、経済情勢に鑑み、道路占用料の額を改定するとともに、「道路法施行令」の改正を踏まえ、占用料の所在地区分を変更するほか、所要の規定の整備を行うものであります。

 そのほか、「福岡県民生委員の定数を定める条例」の制定、食品の安全性の向上を図るため、営業者が実施すべき管理運営の基準を見直す「福岡県食品衛生法施行条例の一部を改正する条例」、職員等の出張に係る宿泊料及び食卓料の額並びに県外出張に係る旅行雑費の支給方法を見直す条例、県立学校及び市町村立学校職員の定数、本県警察官の定員等を改める条例などであります。

 以上、提出議案の概要についてご説明申し上げましたが、いずれの議案も県政運営上緊要なものでありますので、慎重ご審議の上、議決下さいますようお願い申し上げます。

追加提出議案(平成27年2月16日)

 本日、追加提案いたしました議案は、26件であります。その内訳は、平成26年度補正予算関係議案15件、条例議案1件、経費負担に関する議案10件であります。

 まず、予算議案について、ご説明申し上げます。
 今回の補正予算は、国の「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」に係る補正予算を最大限活用した事業を実施するために必要な経費について、総額218億800万円余を追加いたしております。
 そのほか、国庫支出金等の決定に伴う追加経費、その他県政運営上年度内に措置する必要がある経費について、増額補正するものであります。また、経費の節減などにより年度内の所要額がほぼ確定した事業費等について、減額補正を行っております。

 補正予算の額は、一般会計で49億100万円余、特別会計で28億4100万円余を減額しております。また、企業会計では、電気事業会計ほか2会計において増額を行っています。
 一般会計の歳入につきましては、県税、地方交付税のほか、歳出予算に対応した国庫支出金、県債、基金繰入金等の補正を行っております。
 その結果、平成26年度予算の総額は、一般会計で1兆6926億3600万円余、特別会計で6149億400万円余となっております。
 なお、本年度は県税収入が当初予算を110億円余り上回る見込みであり、さらに地方譲与税の増額や経費の節減などによって、一般財源を確保できるため、昨年度に引き続き、財政調整基金等からの繰入れを行わないこととし、今後の財政運営に備えることとしております。

 次に、経済対策に係る補正予算で追加いたしました主な項目について、ご説明申し上げます。
 国の「地域住民生活等緊急支援のための交付金」を活用し、県内の消費喚起対策や地域の実情を踏まえた実効性の高い人口減少対策を推進します。併せて、公共事業費を増額し、事前防災・減災対策の取組みを加速します。

 第一は、消費喚起対策であります。
 商工会議所・商工会等が行う「プレミアム付き地域商品券」の発行に対する助成費を大幅に増額するとともに、インターネット通販サイト等において、福岡県内での宿泊・周遊に利用できる旅行券や福岡の名物商品を割引販売するための経費を新たに措置しております。県内市町村をはじめ、観光、物産、農林水産業など関係団体と連携し、域内・域外の個人消費を一層喚起し、地域経済の活性化を図ってまいります。

 第二は、人口減少対策であります。
 まず、景気・雇用対策として、魅力ある雇用を創出し、安心して働けるよう取り組みます。 
 燃料電池自動車(FCV)の普及と水素ステーションの整備を一体的に推進することとし、FCVについて、タクシー事業者に加え、新たにレンタカー事業者への導入助成費を措置します。また、県内に水素ステーションを整備する事業者への助成費を増額するとともに、県庁に移動式水素ステーションを整備するための経費を新たに措置しております。
 「グリーンアジア国際戦略総合特区」について、特区事業者と直接取引のある県内中小企業が行う設備投資への助成費を増額しております。
 中小企業の販路開拓のための合同物産展・商談会の開催及び首都圏での県産品のテストマーケティングに要する経費を新たに措置するとともに、バイオ技術を活用した製品や医療福祉機器の開発支援、ものづくり人材の育成に要する経費を増額しております。
 また、農林水産物の販路拡大を図るため、新たに、首都圏の外食事業者へのマーケティングの強化、「鐘崎天然とらふく」など県産天然魚の魅力を発信するキャンペーンの実施や加工技術の開発に要する経費を計上するとともに、県産酒米「夢一献」、「山田錦」の生産安定・品質向上技術の確立、利用の拡大に要する経費を措置しております。
 併せて、海外の料理教室を活用した和食講座の開催、「ミラノ国際博覧会」でのふくおかの酒や八女茶のPRなど、和食ブームを捉えた県産品の輸出拡大を図るための経費を新たに措置いたしました。
 障害者の方々の収入向上を図るため、「まごころ製品大規模販売会」に加え、新たに、来場者の投票による「まごころ製品美味しいものグランプリ」を開催するとともに、開設間もない障害者就労支援事業所への経営改善を支援する経費を措置しております。
 また、2020年東京オリンピック・パラリンピック、2019年ラグビーワールドカップの開催に向け、キャンプ地や試合会場の誘致を実現するためのPR、情報収集等に要する経費を増額いたします。
 さらに、「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録を契機に、産業観光のブランド化を進めるための経費及び公衆無線LANについて、大勢の観光客の来場が見込まれる県有施設への設置、旅館、飲食店、観光施設等に対する普及促進セミナーの開催に要する経費を新たに措置しております。
 そのほか、若者、30代、中高年といった年代別及び対象別の就職支援センターにおいて、個別相談や合同会社面談会に加え、保護者向けUターン就職相談を実施するための経費を計上するとともに、「70歳現役応援センター」について、新たに久留米市、飯塚市にオフィスを設置するための経費を措置しております。

 次に、少子化対策であります。
 若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえるよう取り組みます。
 2万店舗を超えている「子育て応援の店」の利用対象者を、小学校入学前の子どもがいる家庭から18歳未満の子どもがいる家庭に拡大するための経費を計上するとともに、「ふくおか『あかい糸めーる』」による出会いの場の提供、11月の「ふくおか・みんなで家族月間」キャンペーンの実施など、結婚や子育てを社会全体で応援するための経費を増額しております。
 また、県内企業の人材確保を支援するため、全国の大学生への「子育て応援宣言企業」の情報発信、男性の育児参加を宣言する企業の拡大に要する経費を新たに措置しております。
 さらに、子育て女性が身近な地域で就職できるよう支援するため、県内4か所の「子育て女性就職支援センター」について、個別相談の実施、求人情報及び保育情報の提供、就職あっせんに要する経費を措置しております。

 次に、地域活性化対策であります。
 時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守る取組みを進めます。
 県外在住の方が一定期間本県で働きながら生活し、福岡県の魅力や住み良さを情報発信することで、多くの方々の移住につなげる「ふくおかトライアルワーキングステイ」を実施するとともに、首都圏において、市町村との合同による「ふくおか移住・定住フェア」を開催する経費を新たに措置しております。
 また、中山間地域の活性化を図るため、地域住民との協働や6次産業化商品の開発など、直売所を拠点とした地域振興の取組みに対する助成費を新たに措置いたしました。

 第三は、事前防災・減災対策であります。
 河川、道路、砂防、治山などの公共事業費を追加するとともに、病院・有床診療所のスプリンクラー設置を加速するための助成費を増額しております。
 また、災害時の指定緊急避難場所等に適した県有施設への公衆無線LANの設置に要する経費を新たに措置しております。

 そのほか、経済団体や金融機関との連携により、女性の起業を支援する「ふくおか女性起業家育成塾」の開催に要する経費及び女性農業者と商工業者を結び付けることにより、農作業に必要な機械や作業着、洗剤、化粧品など女性の視点を活かした商品開発を促進するための経費を新たに措置しております。

 これらの事業費のほかに、「農地中間管理事業支援基金」などの積立金を計上しております。
 以上が補正予算の概要であります。

 条例議案は、「福岡県森林整備加速化・林業再生基金条例」について、平成27年度以降も基金事業を継続するため、条例の有効期限に係る規定を削除するほか、所要の規定の整備を行うものであります。

 経費負担に関する議案は、海の中道海浜公園事業ほか2件について市町の負担すべき金額を定めるもの及び空港整備事業ほか6件について議決内容の一部を変更するものであります。

 以上、提出議案の概要についてご説明申し上げましたが、いずれの議案も県政運営上緊要なものでありますので、慎重ご審議の上、議決下さいますようお願い申し上げます。