平成22年9月定例会の知事議案説明要旨

当初提出議案（平成２２年９月１７日）

　本日ここに、第１８回定例県議会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、ご多用の中、ご参集いただき、厚く御礼申し上げます。
　先の民主党の代表選挙の結果、菅内閣総理大臣が引き続き政権を担うこととなりました。急激な円高の是正、デフレ脱却、成長戦略、地方活性化対策を強力に推進することを強く望むものであります。
　また、国と地方の協議の場に関する法律などの早期成立、真の地域主権改革の実行を求めます。

　本県経済は、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況が続いております。このため、若者の就職支援、県民生活の安全向上のための公共事業の実施など、強力に雇用・景気対策を進めてまいります。

　この議会に提案いたしております議案は、１８件であります。その内訳は、予算議案１件、条例議案６件、専決処分したものについて報告し承認を求める議案１件、工事請負契約の締結に関する議案１件、経費負担に関する議案８件、その他の議案１件であります。

　まず、予算議案についてご説明申し上げます。
　今回の補正予算は、雇用・景気対策に必要な経費を追加するとともに、７月の大雨による被害に対応するため、災害復旧対策に要する経費を措置することといたしております。
　補正予算の額は、一般会計で２５９億２８００万円余となっております。これによって、一般会計の総額は１兆６，１５９億６，１００万円余と相成っております。
　一般会計の歳入は、基金繰入金、県債、国庫支出金等の特定財源のほか、公共施設整備基金からの繰入金、繰越金等を計上しております。
  次に補正予算の主な項目についてご説明申し上げます。
　まず、緊急雇用創出であります。
　高校生や大学生をはじめとした若者の雇用環境は、未だ厳しい状況が続いております。このため、１，０００人の新卒未就職者等に対して、企業での体験雇用により就業を促進する緊急就職応援事業を実施することとしました。
　また、人手不足や新たな雇用が見込まれる農業、福祉・介護など重点分野への人材移転を進めてまいります。農業への就業希望者を労働力が不足する産地へ派遣することとしたほか、看護師の職場復帰支援、安全・安心確保産業への就業促進に要する経費を新たに措置いたしました。
　さらに、プログラム言語Ｒｕｂｙによるシステム開発や製品化に取り組むソフトウェア開発企業への就職支援を拡充するとともに、市町村が行う緊急雇用創出事業に対する助成費を追加しております。
　次に、景気を下支えする観点から公共事業を積極的に実施いたします。病院、社会福祉施設、県立学校などの耐震化や道路防災工事、河川改修工事、治山施設の整備など防災対策に要する経費を大幅に増額するとともに、信号機のＬＥＤ化や通学路の歩道整備などの交通安全対策にも積極的に取り組むこととしました。
　また、広域交通ネットワークの強化を図るための都市間アクセス道路の整備や農地、森林、漁場などの整備に要する経費を計上しております。
　災害復旧対策では、道路、河川、農地・農業用施設、林道などの災害復旧費を増額するとともに、農業総合試験場など県有施設の災害復旧に要する経費を措置いたしました。
　以上が補正予算の概要であります。

　次に条例議案についてご説明申し上げます。
　第一は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例」の一部を改正する条例であります。その内容は、風営法施行令の改正により、新たな店舗型風俗営業が規定されたことに伴い、その営業の禁止地域等を定めるほか、所要の規定の整備を行うものであります。
　第二は、「福岡県公の施設の設置及び管理に関する条例」の一部を改正する条例であります。その内容は、福岡県立福岡養護学校の名称を福岡特別支援学校と改めるものであります。
　そのほか、福岡県職員等の期末及び勤勉手当の決定の時期について改正を行うもの３件、外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の給与について、所要の規定を整備するものであります。
　次に専決処分したものについて報告し承認を求める議案は、交通事故による損害賠償であります。
　工事請負契約の締結に関する議案は、福岡県共同公文書館（仮称）新築工事について契約を締結するものであります。
　経費負担に関する議案は、農業農村環境整備事業ほか７件について市町の負担すべき金額を定めるものであります。
　その他の議案は、福岡県自治振興組合へ県有財産である土地を無償貸付けするに当たり、県議会の議決を求めるものであります。

　以上、提出議案の概要についてご説明申し上げましたが、いずれの議案も県政運営上緊要なものでありますので、慎重ご審議の上、議決下さいますようお願い申し上げます。